表面処理:ガス窒化部品の寸法公差

ガス窒化およびタフナイト処理は、機械部品の表面硬度を向上させるために広く用いられる技術です。特に、加熱筒、TSシリンダヘッド、リングバルブ、ピン類などの部品に適用されます。ここでは、これらの部品の寸法公差について詳しく説明します。

窒化(タフナイト)前加工の公差

窒化処理を行う前の加工公差は、製造コストに直接影響します。そのため、製造コストを考慮して、6級を加工限度とすることが一般的です。これにより、適切なコストで高精度の部品を製造することができます。

窒化(タフナイト)部品の公差

窒化処理後の部品の公差は、窒化前の加工公差に変形バラツキが加算されます。部品の形状によってこのバラツキは異なり、単純形状(加熱筒、リングバルブ、ピン類)では0.015~0.020mm、複雑形状(TSシリンダヘッド)では0.020~0.050mmとなります。このバラツキを考慮することで、最終的な寸法精度を確保します。

最終仕上り公差

窒化処理後の最終仕上り公差は、部品の形状に応じて設定されます。単純形状の部品では7級以下、複雑形状の部品では8級以下とします。この基準を守ることで、高品質な部品を製造することが可能となります。

窒化(タフナイト)部品の寸法公差

窒化処理後の部品の寸法公差は、MED 4-5c の基準を参考にして記入します。この基準に従うことで、部品の寸法精度を適切に管理することができます。

特別な場合の対応

基準から外れる場合、特に寸法公差内に収まらない場合には、窒化後の研削が必要になることが多いです。これにより、最終的な寸法を調整し、基準に適合させることができます。また、タフナイト処理は硬化層が薄く(10~20μm)、研削が難しいため、必要に応じて窒化処理に変更することが求められます。生産技術との打合せや別途の調整が重要となります。

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