ーターの起動時に大電流が流れることによる機械的なストレスと電力損失を最小限に抑えるためには、適切な始動手法の選択が不可欠です。本記事では、そのような状況に対処するためのスターデルタ始動回路と、その制御を行うためのPLCプログラミングについて、実際の回路図とラダープログラムを用いて詳しく説明します。
スターデルタ始動回路
スターデルタ始動は、電動機をスムーズに始動させるための手法です。電動機への負荷を減少させることで、電流のサージを抑え、機器へのストレスを軽減します。この始動方法は、特に大容量のモーター起動において広く用いられます。
有接点回路
有接点回路では、スタートボタン(PB-1)とストップボタン(PB-2)、タイマー接点(TH)を使用してモーターのスターコイル(R1)とデルタコイル(R2)を制御します。スタートボタンを押すと、タイマーが作動し、設定された時間が経過するとスターコイルからデルタコイルへと切り替わります。
PLC入出力配線
PLCにおいて、スタートボタンは入力X00、ストップボタンはX01、タイマー接点はX02に接続されます。出力では、スターコイルを駆動するリレーがY10、デルタコイルを駆動するリレーがY11として設定されます。
ラダープログラム
ラダープログラムでは、スタートボタン(X00)が押されると内部リレー(M0)がセットされます。タイマー(T1)が経過時間に達するとスターコイル(Y10)の駆動が止まり、デルタコイル(Y11)の駆動が開始されます。ストップボタン(X01)が押されると、全ての動作が停止し、モーター起動がリセットされます。このラダープログラムは、PLCを使った電動機の効率的な始動と保護のための実際的な解決策を提供します。
スターデルタ始動は高度な制御を必要とするため、上記の基本的な概念を理解することは、より複雑な産業用アプリケーションでのトラブルシューティングと問題解決において極めて重要です。
まとめ
スターデルタ始動は、特に大容量のモーターに適した始動方式です。今回紹介したPLCを用いた制御方法は、電動機をスムーズに、そして経済的に運用するための基礎知識として理解することができました。この知識を活かし、実際の工場や機械制御の現場でより効果的なシステムを構築することが可能になります。
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