各種材料に対する限界面圧及び許容面圧

材料の面圧は、荷重の種類(静荷重・動荷重・衝撃荷重(衝撃度))によって変わり、一概に決めにくいですが、下記表(限界面圧及び許容面圧の目安)の数値を参考にして設計してください。

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1. データにない材料の扱い

データにない材料(例:SKH・SKD等)の限界面圧は推定値を用います。

2. 許容面圧の基準

許容面圧は限界面圧の1/2とします。これは、安全性を考慮した一般的な基準です。

3. 衝撃荷重の場合

衝撃荷重がかかる場合、限界面圧の1/4を許容面圧とします。これは、衝撃による瞬間的な高い応力を考慮した値です。

4. 表面処理による面圧の変化

表面処理を施すと限界面圧は上昇します。アップ率は以下の通りです:

  • ガス窒化:アップ率1.5倍
  • 浸炭焼入:アップ率1.35倍
  • 高周波焼入:アップ率1.2倍

5. 静荷重に近い場合

荷重が面に均一にかかり、静荷重に近い場合は許容面圧の1.1~1.2倍程度まで使用できます。

6. 強く締付ける部分

強く締付ける部分の面圧は、静荷重とみなされるため、限界面圧程度まで使用可能です。 例:タイバー段部、ソケットボルト座面など。ただし、スクリュヘッドの締付面は締付面圧より射出面圧の方が高く、この場合は適用不可です。

7. 参考基準

JIS B8240の圧力容器では、支圧応力は最小引張強さ×1/4×1.6としています。

材料ごとの限界面圧と許容面圧

以下は、各種材料に対する限界面圧および許容面圧の参考値です:

被締付物の材料記号引張強さ (kgf/mm²)限界面圧引張強さ (限界面圧)許容面圧 (kgf/mm²)衝撃面圧 (kgf/mm²)支圧応力 (kgf/mm²)
低炭素鋼SS400410.712915716
中炭素鋼S45C520.8343221121
熱処理炭素鋼S45C HRC20770.8767341731
合金鋼SCM HRC28930.8579402037
高周波焼入S45C HRC504824
浸炭焼入SCM HRC605427
ガス窒化SACM Hv10006030
合金鋼ATM HRC30970.8582412139
熱間工具鋼SKD61 HRC491700.8013668~8034~4568
高速度鋼SKH51 HRC622000.8016080~10040~5280
ステンレスSUS304530.492613721
析出硬化ステンレスSUS630 HRC351100.8189452244
ねずみ鋳鉄FC20151.7326137
球状黒鉛鋳鉄FCD450380.8733178

限界面圧および許容面圧は、設計および製造の際に非常に重要な要素です。上記の表を参考にし、適切な面圧を選定することで、機械部品の信頼性と耐久性を向上させることが可能です。製造現場では、これらの基準を遵守し、品質管理を徹底することが求められます。

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