部品設計:鋼材加工の最小仕上代

部品設計において、素材寸法と最小仕上代を十分に考慮することは、コスト削減と効率的な製造プロセスを実現するために重要です。以下では、具体例を用いて圧延鋼材の最小仕上代について説明します。

例:下記寸法の四角い形状のものを設計する場合

  • 寸法: 600×600 mm
  • 材質: SS400

1. 強度計算からの必要厚さ

強度計算に基づき、必要な板厚は128mmとします。これにより、設計に必要な強度が確保されます。

2. 加工最小削り代

加工工程での最小削り代は7mmとします。これは、素材の不均一性や加工精度を考慮した値です。

3. 素材寸法

一般的に使用される素材寸法は130mmまたは140mmです。これにより、加工後の部品が必要な寸法と精度を満たすことができます。

4. 設計寸法

設計寸法は133mmとします。これは、素材寸法140mmから最小仕上代7mmを差し引いた値です。

設計寸法=素材寸法−最小仕上代設計寸法 = 素材寸法 – 最小仕上代設計寸法=素材寸法−最小仕上代 133mm=140mm−7mm133mm = 140mm – 7mm133mm=140mm−7mm

注意点

設計寸法を128mmおよび130mmにしないように注意が必要です。理由は以下の通りです:

  • 設計寸法128mm: 素材寸法140mmから12mm削り取る必要があり、過剰な加工が必要となります。
  • 設計寸法130mm: 素材寸法140mmから10mm削り取る必要があり、こちらも過剰な加工が必要です。

これらの加工では、材料の無駄が生じ、製造コストが増加するため、避けるべきです。

圧延鋼材の最小仕上代を適切に管理することは、製造コストの削減と製品品質の向上に直結します。適切な設計寸法を選定することで、過剰な加工を避け、効率的な製造プロセスを実現することが可能です。製造現場では、これらのガイドラインを遵守し、最適な部品設計を目指すことが求められます。

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