表面処理：硬質クロームメッキ部品の寸法公差

硬質クロームメッキは、機械部品の耐久性と性能を向上させるために重要な加工技術です。特に、タイバーやシリンダーヘッドのような高精度が要求される部品では、メッキ後の寸法公差管理が不可欠です。以下では、メッキ後バフ加工が施される部品の寸法公差について詳しく説明します。

メッキ前加工の公差

メッキ前の加工公差は、製造コストに直接影響するため、慎重に設定する必要があります。一般的に、6級を加工限度とすることで、適度なコストで精度の高い部品を製造することができます。この6級公差は、加工の効率性と最終製品の品質をバランスよく保つための基準です。

メッキ厚さには一定のバラツキが生じます。具体的には、±0.005mmのバラツキがあり、直径で計算すると0.020mmとなります。このバラツキはメッキプロセスの制御精度を反映しており、最終的な部品の寸法精度に影響を与えます。メッキ厚さの管理は、最終製品の品質を保証するために重要です。

メッキ部品の最終仕上り公差は、メッキ前の6級公差に0.020mmを加えたもの、すなわち7級以下と設定します。これは、メッキによる寸法変動を考慮したもので、高い寸法精度が求められる部品において特に重要です。この基準を守ることで、部品の性能と信頼性を確保することができます。

メッキ後の部品の寸法公差は、MED 4-5bの基準を参考にして設定することが推奨されます。この基準を使用することで、メッキ後の部品が要求される寸法範囲に収まっていることを確認できます。寸法公差を正確に記入することは、製品の一貫した品質管理に寄与します。

上記の基準から外れる場合、特に6級指示が寸法公差内に収まらない場合には、メッキ後の研削が必要になることがあります。これにより、最終的な寸法を調整し、基準に適合させることが可能です。このような場合は、生産技術との打ち合わせや別途の調整が重要となります。