制御システムにおいて、一度動作を開始したら停止信号が来るまで動作を続ける、そんな自己保持機能は非常に重要です。この記事では、PLCを使用して自己保持回路をどのように構築しプログラミングするかについて、有接点回路の例とともに解説していきます。
自己保持回路
有接点回路
自己保持回路は、特定の条件で一度出力がオンになった後、その出力が持続されるように設計された回路です。例えば、スタートボタン(PB-1)を押すとリレーR1が動作し、その動作を維持するためにリレー自体の接点(R1の接点)を使用します。スタートボタンを離しても、リレーR1は自己保持された状態であり続け、ストップボタン(PB-2)が押されるまでリレーはオフになりません。
PLCの入出力配線
PLCの入出力配線においては、スタートボタンはPLCの入力X00に、ストップボタンは入力X01に接続され、リレーR1は出力Y10に対応します。ボタンが押されると、これらの信号はPLCに読み込まれ、対応するラダープログラムに従って処理されます。
ラダープログラム
ラダープログラムでは、スタートボタンの信号(X00)が入力された際に内部リレーM0をオンにし(これが自己保持のスタート動作を表す)、M0がオンである限り出力Y10(リレーR1)がオンになるようにします。ストップボタン(X01)が押されると、内部リレーM0がリセットされ、出力Y10がオフになります。これにより、自己保持機能がリセットされる仕組みをPLC上で再現しています。
まとめ
自己保持回路の構築とPLCプログラミングは、多くの産業機械やプロセス制御において基本的かつ不可欠な要素です。この記事で紹介した基本的な接続とラダーロジックを理解し応用することで、より複雑な制御回路の設計にも対応できるようになります。実際のプロジェクトにおいては、この基礎をもとに具体的な制御要件に合わせたカスタマイズが求められるでしょう。
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